東京日仏学院にて開催された「第11回「哲学の夕べ」― Agir pour le vivant 生きものとともに」内のプログラムの一つ、「センシング・ストリームズ〜生きものとともに」展において、細井美裕さんの作品のテクニカルディレクション/エンジニアリングを担当しました。

人間が世界を聞いているように、世界も人間を聞いている

坂倉準三による坂倉館(1951)、10年後の増築、そして約60年後の藤本壮介による増築が中庭を囲んでいる。都心ながら自然が豊かなこの場所は、屋内外を階段やスロープがなだらかに結び、歩けば多様な景色とともに風や木々や鳥、電車音など様々な流れが体感できる。坂倉館の二重螺旋階段から構想された本作では、独立しつつ絡み合う二つの螺旋空間の流れに加え、螺旋階段と外の流れが出会う。自然音が二重螺旋空間へ、自然の中に二重螺旋空間の音が流出し、自然と人工、意識と無意識の境目がほぐれていく。人間は世界を見聞きしているが、世界から見られ聞かれている。本作では、訪れた者もその一部となり内耳の螺旋へ音を受け入れていく。自然に見られる螺旋の流れ、森羅万象の生成原理がつながり、私たちは世界そして自らがLiving Room(生きた空間)であることを発見する。(プログラム・キュレーター 四方幸子)

細井美裕のwebサイトより引用

photo by So Mitsuya
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Media
Speakers(3ch for Stairs, 1ch for outdoor), Microphone(3ch for Outdoor, 1ch for Stairs), MacBook Air, Audio Interface, Amp

技術統括:岩田拓朗(arsaffix Inc.)
インストール/再生システム:村川龍司(arsaffix Inc.)
デバイス/音声伝送システム:安藤充人
Special Thanks:山峰潤也、松井正(長野県立美術館)、イトウユウヤ(arsaffix Inc.)、伊藤隆之
機材協力:株式会社ATL-KYOEI
写真:三ツ谷想