山口情報芸術センター[YCAM]が山口市の中心市街地や史跡で公開する「Yamaguchi Seasonal 2023」の一環として、坂本龍一氏とYCAM InterLabの共同制作作品「Forest Symphony」(再展示)が山口市常栄寺で開催され、テクニカルディレクションを担当しました。

2011年の東日本大震災の後、坂本は〈人類が生きる環境〉を支える森林へと意識を向けるべく、樹木が発する微弱な生体電位を元に楽曲を制作するというアートプロジェクトを構想しました。そのプロジェクトにYCAMが参画し、インスタレーションやウェブコンテンツとして展開したものが「Forest Symphony」です。
本プロジェクトでは、YCAMが樹木の生体電位を計測し、ネットワーク経由でサーバーに集積するセンサーデバイスを開発。世界各地の樹木にそれを設置し、生体電位を収集しています。そして、集められた樹木のデータにもとづき、会場を包み込むサウンドを生成するとともに、アーティストの高谷史郎のビジュアルディレクションのもと、生体電位の変化や、センサーデバイスが設置された環境の情報を視覚的に表現。これらをサウンドインスタレーションとして空間的に統合し、季節や天候に応じて変化を続ける〈森のような空間〉が現出します。雪舟ゆかりの地、常栄寺雪舟庭を眺めながら、微細に変化する森の息遣いに耳を傾けるかのような観賞体験を楽しむことができるでしょう。

 

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坂本龍一+YCAM Forest Symphony

Yamaguchi Seasonal 2023/
坂本龍一+YCAM Forest Symphony

会期:2023年8月11日(金)〜11月5日(日)
会場:常栄寺(山口市宮野下2001)

主催:山口市、公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市教育委員会
助成:令和5年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
共同開発:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]


写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]
撮影:山中慎太郎(Qsyum!)